君は特にピアノが得意ってわけではないのだろうし、ピアノ曲をものすごく大好きだというわけではないのだろうけれど、この1月は君が目の前にいない時はなぜかあの鍵盤の音が聴こえて来るような気がする。
例えばとても冷え込んだ夜の次の日。
昼間も気温が上がることはなくて、ぼくは室内のランプの淡い光を眺めながら確かにかかっていた歌とは別のピアノの音を聴いていた。