今、かつてのリングスの試合を見返してみると、そりゃあ現在のMMA(総合格闘技)の試合とはまったく違う。
非常に「見せる」ことを意識した大味な内容がほとんどだ。
もちろんKOKルールはグラウンドパンチのないMMAのようなもので、それはまた別の話となるが。
だけど例えば「喧嘩が強い」とか「バウンサーである」的な文脈でリングに上がっていたオランダ人たちの試合はとてもとても不細工なもので、かと言ってアマレスで実績のあるグルジア人などの試合もなかなか不細工である中、まさにヴォルク・ハンのみが美しい試合を展開していた。
今見てもハンが相手に絡みつくタイミングとか雰囲気は妖気漂う素晴らしさだ。
ヴォルク・ハンがリアルでも強かったことは40歳を過ぎてから敢えて参加したKOKルールの試合で実証されているが、しかしそんなこととは別次元の空前絶後・唯一無二の魅力がハンにはある。