現在「ヨーロッパを代表する映画監督は?」と問われてすぐ思い付くのはやはりミヒャエル・ハネケとラース・フォン・トリアーだ。
ところが、ハネケの大ファンであるわたしも、トリアーとなるとズバリ言って好きな映画は一本もなかった。
と書くともうお分かりだろうが、「好きな映画の一本」ができたのである。
それが「メランコリア」だ。

「メランコリア」は意外にも快適なテンポで進む。
このテンポと、「次に何が起こるか分からない」という不安定感のために実は特に何かが起こるというほどでもないに関わらず退屈することが無い。