弁当屋の女はその日、帯根町の店にいた。
(あ)
サワナミの心に現れた音は、(あ)だった。
嬉しくは全然ない。ものすごく嫌でもない。ちょっと鬱陶しい・・そんな感じ。
少なくとも今日は女と話するつもりはなかったから、言葉を何も準備していない。
けれどサワナミにとっては(あ)程度だったが、女にとっては(あ)どころか、(あああーーー)くらいだったようだ。