サワナミが入って来ただけでこれだけ感情が乱れる。
眼球運動だけではない。
女の行動全体が不自然になった。
体の動きが明らかにカクカクする。
まるで一瞬のうちにロボットになったようだ。
手元も定まっていない。
透明なプラスチックでできた弁当のフタを閉める手が微動している。
口元は力が入りすぎ、とがったくちばしのようになっている。
それを見てサワナミは心で苦笑した。