「入門」だから、バレエ鑑賞歴の長い人には意味がないかというと、そうでもない。
コンパクトで、簡潔な構成に、手に取ってペラペラめくるだけで身が引き締まる。
例えば「序論」にある次のような文章。

  それは力の奔流、喜びの輝き、心の高揚の耽溺でありうるし、後悔と苦悩を、表現豊かな肉体がたわみ揺れ動くなかに書き込んでいくものでもあります。

                                  「バレエ入門」マルセル・ブルガ著より

力をくれる文章だと思いませんか?
コナン・ドイルの「踊る人形」を想起させる挿絵もきれい。