カトリーヌ・ドヌーブは大きくない。

大きな女性に感じるエロスもあるし、小さな女性に感じるエロスもある。
筋肉質の男性に感じるエロスもあるし、痩せた男性に感じるエロスもある。
太った女性に感じるエロス、年取った男性に感じるエロス・・エロスの感じ方は万華鏡のように多彩だ。
一人の人間が「わたしはこんな人をエロティックだと感じる」と思っていても、あるとき急に正反対の人間をエロティックだと感じるときもある。
エロティシズム、エロスを固定することはできないし、「自分はこうだ」という観念に裏切られることもある。

「哀しみのトリスターナ」の中、カトリーヌ・ドヌーブが大きくないということは、実に大きくエロティシズムに貢献していた。