エミリー・コゼットを、わたしは「ル・パルク」の日本公演でも観たのだが、正直なところエトワールとしては実に華がない。
エトワール選考の要素の一つに「カリスマ性」も含まれると聞いたことがあるが、その点でははなはだ物足りないダンサーだと思う。
そして「映画」として考えても、普通の劇映画と同じチケット料を払うわけだから、「スターバレリーナ」「人気演目」はもっと堪能したかった。
わたしは正直者のバレエファンだからそう思うのだ。
いったいフレデリック・ワイズマンにどのような判断が働いて、「ややスター忌避、地味め」な構成になったのか。
ここでわたしは正直かつ、ちょっとへそ曲がりなバレエファンだから勘ぐってしまうのだ。
「お芸術(おアート)映画だから、あまりスターは出さない方がいい」と思ったのではないか・・などと。