しかし「くるみ割り人形」はアリーナ・コジョカルAlina Cojocaru得意の「ため」が存分に生かされる演目ではない。
役柄上控えめさが要求されるからだ。
となればアリーナ・コジョカルの「デリケートなタッチ」と「針の穴を通すようにスッと極まっていく」技の数々が一番の見ものとなる。
そしてそれに最もふさわしいパートナーのヨハン・コポー。
確かに脚は長くないが、彼の優しさがコジョカルを、そして場内を包み込む・・とまでは言わないが(笑)、少なくとも口もとに笑顔をもたらしてくれる。
そして東京バレエ団。
スヴェトラーナ・ザハロワSvetlana Zakharovaを観るために新国立劇場バレエに足を運ぶ機会が多いが、正直なところ東京バレエ団の方が好みだ。