わたしの見ていたのはずいぶん前の読売新聞。
捨てようと思いながら、めくっていた。
読んでないままに捨てるのは損する気がしてね。
申し訳程度にペラペラめくったところで、記事なんて読んでいるはずもない。
ペラペラめくることで少しでも元をとろうというセコイ男なんです、わたしなんて。
で、捨てる前にペラペラめくって元をとれたためしはないんだけど、今回は「元」どころじゃなかった。
ページをめくっていると、白鳥オデットの姿が飛び込んできたのだ。
それはそれは殺風景な紙面にふさわしくない信じららなく美しいオデットだった。