「美」に対する人間の感じ方は多様・・と言うか、ある程度「訓練」の時期がないと感覚も磨かれないという実感がある。
例えば世界的に有名で文句なく「誰が観ても美しいと感じる」作品の一つにジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」があると思うが、この作品を「気持ち悪い」という人も少なからずいるのだ。
と言うか、美しいですよね、「オフィーリア」。
しかも分かりやすい。
もちろん何を美しいと思うかは個人差があっていいのだが、「オフィーリア」をまったく美しいと思えないような人生を送っていていいのだろうかとは強く思う。

その点で言えば、カラヴァッジョの絵など鼻から受けつけないという人が多くても驚かない。
画力の凄さは誰もが認めざるを得ないだろうが、ほとんどの作品に満ちているのは「異様さ」なのだから。