架空情景

ある冬の雪の降る日のこと。
シンシンと冷え込む道端、背中を丸めてしゃがみ込み、シクシクべそをかいている男がいた。
少女がいぶかしげに近づく。
「おじちゃん、どうしたの?」
男が振り向くとき、懐から免許証がはらりと落ちた。
そこには「箕輪幸人」と書かれている。
「おじちゃん、なぜべそをかいているの?」
目に涙をたっぷりと溜めた幸人は言う。
「ぼくが出ているニュースでね、ぼくが大好きな人がいるんだ。だのにぼくの愛に気づいてくれない」
「ふ~ん、だから泣いてるのね」
「めそめそ」
「で、その大好きな人は、安藤優子かえ?」
「違うよ!ぼくの大好きな人は、秋元優里なんだい!」
そのときだった!
べリべリ!
少女が顔のマスクをはがすと、そこには秋元優里!

その後の箕輪幸人の運命について書くのはやめておこう・・。