ぼくは胸の奥底から込み上げてくる太陽の炎よりも熱い思いを抑えることはできなくなった。
「ああ、ぼくはもう言うよ。これまでも言って来たけれど、これからだって何千回も何万回も言うさ!ああ、ああ、スヴェトラーナ、君ほど美しい人はこの世にいない!ぼくは君を愛してるんだ!そして愛さずにはいられないんだ!ああでも、だからこそ怖い!君を愛することが怖いんだ、スヴェトラーナ!!」
真っ白なスヴェトラーナの頬が少しあからんだような気がした。
ぼくはスヴェトラーナの肩を抱き寄せ、小憎らしいほど形の整った唇に自分の唇を近付けた。
その時だった!
しっとりと冷たいフィンランドの空気を切り裂くような乾いた音が静けさの中で弾けた。
(銃声だ!)
ぼくはスヴェトラーナの体をかばいながら、一緒にバルコニーに伏せた。