炸裂した手榴弾の黒煙が臭ってくる。
ぼくとスヴェトラーナを恐るべき強敵が狙っているのがはっきりした。
それでもぼくの方を向いたスヴェトラーナの美しさを何と喩えることができるだろう。
「できない」
ぼくはつぶやく。
「何ができないの?アルベール」
「おお、スヴェトラーナ。君の美しさを何かに喩えるなんてことは不可能なんだ」
「まあ!アルベール、あなたって本当におバカさん!手榴弾が炸裂している横でそんなことを言い出すなんて!」