日本で「非日常」なファイターとして多くのファンを獲得していた頃のミルコ・クロコップはご存じの通り鮮やかなハイキックで次々と対戦相手を沈めていた。
ハイキックは使う側にとっても非常にリスクが高い技で、それを駆使していることがミルコの非日常な雰囲気を作り上げていたことは間違いない。
ただその反面、ハイキックを防ぎきれない対戦相手の研究不足もあったのだろう。
エメリヤーエンコ・ヒョードルに間を詰められて敗戦を喫してからは他のファイターも同じ攻略法を用いるようになり、容易には勝てなくなった。
しかもUFCのオクタゴンでは間の取り方自体リングで戦う場合とはまったく違い、ハイキックが当たりそうなシチュエーションなどはそうそう出てこない。
そこでミルコは何度か屈辱的な敗退を喫するわけだが、「もう辞めるだろう」という予想を覆し、今も頑張っている。