映画が遂に北川景子の「記憶」の確信に触れるとき・・・けれどもちろんわたしはそのシーンを具体的に描写することはできない。
それは映画全体の核となる謎が解き明かされるシーンなのだ。
もちろん「謎が解き明かされる」と言っても凡百のミステリの謎ときシーンのような説明的なものではない。
敢えて言うならこのような表現ではどうだろうか。
そのシーンは語られることはあっても本来見てはならぬもの。
神話として語り継がれることはあっても目にしてはならないもの。
「恐怖」と「美」と「愛」の混淆という、日本映画史上でも稀なシーンだった。