「あ、あれは?」
見かけによらず一時的に憂鬱な岡っちの口からするりと言葉が出た。
視線の先には人だかりがある。
人だかりはかなり直系の長い円を描いており、
その中心、外周にいる人たちからかなり離れて数人が対峙しているようだ。
「何、岡っち?何言ってんのよ」
「アレって?何?」
「そんなのいいじゃん。早くホテル行こうよ。おれ今、岡っちがスゴク欲しいんだ」
「え?あれって、人間?」