エースコック「小海老天そば」に入っている小エビちゃんは答えた。
「ぼくの瞳が純粋に見えるのかい?でもぼくの瞳には哀しみがいっぱいなんだ」
「哀しみ?」
「そう、哀しみさ」
よく見れば小エビちゃんの目にいっぱいの涙が溜まっていた。
「小エビちゃん、泣いているんだね・・」
「ああ、あなたにはこんなところ、見せたくなかった・・」
ずいぶんと馴れ馴れしい小エビちゃんだな・・正直そう思った。
(この小エビちゃん、いきなり人間関係の距離を縮めようとするタイプだな)
警戒感が少し芽生えた、と同時に不思議な嬉しさも感じた。
(おれ、何を考えてるんだ・・)
「ねえ小エビちゃん、おれと君は今始めて会ったばかり。なのにおれに〈見られたくなかった〉なんて道理を外れた発言だねえ」
「え、そんな・・」
小エビちゃんは顔を伏せると同時に「うっく、うっく」と嗚咽を始めた。

つづく