例えばスポーツ選手の中で、「わたしのプレーする姿を見ている皆様に勇気を与えられたら」などと言う人物もいるし、甚だしい場合には「世界の平和のためにプレーしたい」といった意味の発言をした人物もいたが、これらがとんでもない「勘違い発言」であるのは言うまでもない。
わたしは一流スポーツ選手のパフォーマンスを軽視しているわけではない。
一流スポーツ選手のプレーで勇気を与えられる人は無数にいるだろうし、稀ではあろうが「世界平和」に何らかの貢献をする場合もあるだろう。
しかし、である。
つまり「自分で言っちゃあおしまいよ」なのである。
スポーツ選手はスポーツをするからこそ美しいのであって、スポーツに集中し、そのためにストイックなまでの努力をする。
それが結果的に人々に勇気を与えたりすることになるわけだ。

浅田真央は基本的に「スケート」の話しかしない。
しかし人一倍の天性に加え、人一倍の努力を惜しまない。
その潔い姿勢が、帰って浅田真央を「スポーツ選手」以上のものにしている。