ある若い母親の話。
娘をバレエ教室に入れる。
しばらくの後、「いい役で使ってもらえない」と怒り、娘にバレエ教室を辞めさせる。
この事実から見えてくるものは?

もし彼女の娘が、「力があるのに」いい役を与えてもらえなかったのであれば、その怒りは当然である。
しかし、単に「群舞で踊るくらいの力」だったから「群舞」の役を与えられていたのであれば、彼女の行動は実に愚かだったと言える。
「群舞」の役がいなければ、バレエ公演など成り立たない。
そもそも「バレエ」の世界へ入るというのであれば、たとえそれが「一流」のバレエ団でなくても、一つの公演で「ソロのダンス」を踊る機会を与えられるのは、ほんの一握りのダンサーだ。
その覚悟がなく、バレエなど最初からやるべきではない。