最近よく読んでいるのは新潮文庫「コクトー詩集」(堀口大學訳)であって、何度も書いているけれど、わたしは常に10冊以上の本を並行して読んでいて、それが「いい読書法」だと主張する気はないけれど、昔からの習慣だからもう慣れているわけなのだが、その10冊の中には何度も読んでいる本も含まれていて、「コクトー詩集」はそんな1冊なわけだ。コクトーの詩はご存じの通り「軽さ」に妙があって、しかも長くないものが多いけれど、当然のことながら使われている言葉や表現はギリギリまで研ぎ澄まされていて、一気に「彼方」へ連れて行ってくれるのが快感だと思うけれど、「彼方」と言えばユイスマンスのあまりにも有名な「彼方」を思い出したわけだが、今のような時代だからこそまたユイスマンスなどを紐解きたいななどとふと考えたのだけれど、「彼方」「さかしま」というユイスマンス二大著書もさることながら、実はわたしは「ルルドの群衆」という著作が好きなのである。