実は前回オリンピックの時には浅田真央とキム・ヨナの差をさほど大きいものだとは感じなかった。
だからこそ両者の点差があまりに大きかったことに強い憤りを感じたわけだ。
ところがこの世界フィギュアモスクワ大会。
ショートプログラム終了時点で、「一年間」のブランクを持ったキム・ヨナと浅田真央の差をつくづく思い知らされた。
と言うよりも、キム・ヨナのフィギュアスケートがあまりにも次元が違い過ぎるのだ。
例えれば、草食動物の中に肉食動物が一人(?)だけ混じっているような迫力。ジャンプ、回転はもちろん、演技の中の極めポーズを創る時でさえ、キム・ヨナは獰猛な肉食動物の如き突進力を見せつける。あるいは一流の格闘家が対戦相手を完璧に仕留めようとする時の姿のような、それでいて次の瞬間には美しい造形を生み出しているのだ。ヨナを脅かすポテンシャルを持っているのは今でも世界で浅田真央だけだと思うのだが・・。ずいぶん遠く見える、今では。

(フリーではやや精彩を欠いたヨナだったが、空前絶後のスケーター、現役は続けてほしいものだ。それと、来季の浅田真央には大いに期待している)