実はこんなことになるんじゃないかという想像はあった。しかしせっかくの素晴らしいプログラム。少しでも公演に水を差したくないという思いもあり、書かないでおいた。
そう、「東日本大震災の影響による公演中止」。
それにしてもよりによって2011年に日本で予定されていたバレエ公演の中で圧倒的な輝きを放っていた「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」が・・。
「延期」という発表だけれど、もちろん「いつまで」などという区切りはない。
NBSの発表によれば、「東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故の影響を危惧した」ことが理由として挙げられているが、その「影響」の範囲さえまったく定かでないではないか。
もっとも他の海外バレエ団の公演はほとんど通常通り行われているのだけれど、もちろんわたしたちはニコラ・ル・リッシュの決断に対して、「薄情」だの「弱虫」だのいう批判などできようはずもない。
なにせ深刻な原発事故に対して、「こんな」対応しかできない「政府」「東電」「マスメディア」などなどが牛耳っている国なのだから。