●『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その5。

あなたは「はちきん」か?
そうでなければ、これからあなたは「はちきん」となるか?
もちろんここで言う「はちきん」は、従来の「はちきん概念」とは大きく異なるだろう。

伝えられるところによれば、はちきんは幼い頃によく高知の浜辺へ行ったという。
しかしはちきんは泳ぎが苦手だ。
 はちきんは泳ぎがに・が・て。
 いや、プールではそこそこ泳げるのだけれど。
「はちきん、あんたどんな泳ぎ方がうまいがで?」
「はちきん、クロールがうまいがよ」
 これは小学2年生の頃、はちきんが転校生の少女と交わした会話である。