叙情性、妖絶さ・・この2つを兼ね備えたバレリーナはさほど多くない。
と言うよりも、稀有なのではないか。芝居で「妖絶そうに」振る舞うことができるバレリーナはいるにしても。

ミリアム・ウルド-ブラム Myriam Ould-Brahamは目標とするバレリーナの一人にアリーナ・コジョカルを挙げている。
バレエファンにとっては説明の必要もない。英国ロイヤルバレエのプリンシパルであるコジョカルは現代の完璧なバレリーナの一人だ。
アリーナ・コジョカルは、しかし上背は目立つほど低い。
しかし一つ間違えば欠点となるその身体的特徴を、厳格なテクニックと天性の美的センス、さらにドラマティックな資質によって、克服するどころか逆に魅力としている。
同様に身長に恵まれていないミリアム・ウルド-ブラム Myriam Ould-Brahamがコジョカルを目標とするのは納得できるところだ。