キスは、ときにセックスそのものよりもエロティックで、ときにもっと強い快感を得ることができるものだ。
ヴィジュアル的にもキスの方がセックスより美しい・・これも大方の人が同意できるだろう。
だから映画でキスシーンというものが重要な位置を占めるのは当然なのだが、意外と印象に残るキスシーンは少ないものだ。
映画作家がキスシーンにどんな意味を持たせるか、それをどう表現するかというのも美意識の見せどころだと思うのだが。

犬堂一心監督の「メゾン・ド・ヒミコ」の中にもけっこう長いキスシーンが出てくるのだが、これには正直やや不思議な印象を持った。