しかし現実にはしいたけの匂いがしたからと言って、踵を返してエスケープすることなどそうそうできるものではありません。
玄関まで漂うしいたけの匂いに「う」となりながらも、彼あるいは彼女は食卓につくことになるでしょう。
ちゃぶ台(笑)を見るとしいたけの入ったお吸い物が入っています。
温かな透明な液体の中にあるスライスされたしいたけは、小さいながらもお吸い物の中から大気の中にまで「しいたけの匂い」という違和感を思う存分発揮しています。
では鼻をつまめば彼あるいは彼女は助かるのでしょうか?
決してそうではありません。
彼あるいは彼女はお吸い物から目を離せなくなるのです。
それは見たいからではありません。
見たくないのに見てしまうあのつらさ。
せめてお吸い物の中にあるしいたけが傘の外側だけ見せていればまだしも、どうしてもあの内側が見えてしまうつらさ。
彼または彼女は、あの細かな襞が汁の中で揺らめいている姿に軽い頭痛を感じている自分を発見するのです。

名残惜しいですが(笑)、これにて「しいたけ」に関する考察はひとまず(?)終了いたします。
掲載中は数々の励まし、叱咤激励などのコメント、ありがとうございました。(爆笑)
それにもかかわらず、いまだしいたけを好きになれそうにないわたくしの未熟さをお許しあれ(^_-)-☆

それでは次回から残りのバトン、頑張るぞお!(そうです、まだバトンやってるんです)