カラヴァッジョの「ホロフェルネスの首を切るユディト」は、まさに「暗殺の瞬間」を描いた、しかもヴィヴィッドな表現で描いたところに大きな特徴がある。
血がスプラッター映画のように噴き出し、ホロフェルネスの顔は醜く歪んでいる。
しかし最も印象深いのはユディトの顔だ。
美しい・・だけではなく、何というのだろう、とてもチャーミングなのだ。
「チャーミングな女性像」・・これは絵画の歴史に置いて、さほど多く観られるものではない。
例えば「モナリザ」と付き合いたいと思う男性は少ないだろうが、カラヴァッジョの描いたユディトであれば付き合いたいと思う男は多くいるだろう。(もっとも、首を切っている最中だが 笑)
それほど現代性に溢れ、魅力的に描かれている。
逆に言えば、だからこそカラヴァッジョの絵からは通俗性が濃厚に漂うわけだ。