「宮本武蔵『五輪書』の哲学」(前田英樹著)は実に興味深い本で内容についてはまた改めて取り上げたいが、宮本武蔵とは関係ないけれどおもしろい文章があったので紹介してみたい。


ただ、宮本武蔵という人自身は、『五輪書』を読めば読むほど、人気スターになるべき性質をまるで欠いた、根っから愛相のない人だったということがよくわかる。そのことはこれから追々お話しなくてはならないでしょう。しかしこれは、彼がつまらない人間だったという意味では少しもありません。つまらないのは、人気スターのほうでしょう。

        「宮本武蔵『五輪書』の哲学」前田英樹 岩波書店

実にいい言葉だと思いません?