ある夜。2月のある夜。どうも疲れていたんだ。疲れて体も頭も働かない。そんな夜がぼくにもあるわけです。何とも止まってしまった感覚ですね。
さあ、そうしようもないぞ。
けれど、どうにかしなければならない。
で、観たわけです、バレエの映像を。
ミリアム・ウルド-ブラム Myriam Ould-Brahamのクララ、キトリ。そして「ボレロ」を観たくなった。シルヴィ・ギエム。ニコラ・ル・リッシュ。
神話世界にいるような彼らを観ていると、ああ、たちまちエネルギーが蘇って来る。
彼らのエネルギーがわたしの中へ入って来るのか、彼らのエネルギーによりわたしの中にもともと埋蔵されているエネルギーが湧き立って来るのか。
どちらでもあるだろう。

これが「素晴らしい芸術」の持つ力の一つだ。