「ジゼル」は言うまでもない、極めつけの古典バレエの一つだ。
アダン作曲、通俗ギリギリの音楽が心を高揚させる。
クラシック音楽ファンの多くがやや見下すバレエ音楽に一つだが、通俗ならではのおもしろさっていうのがあるんですよ。
しかし「ジゼル」は、超一流のバレリーナたちによって踊られることで通俗どころではなくなる。
いや、「まったく通俗ではない」などというようにはならない。
通俗と天上的美の純粋性が手を結ぶ。
その意味でバレエと優れた映画は似てなくもない、が、そんな話はここでは置いておこう。
「ジゼル」の主人公はジゼルだ。
ここでわたしはふと考える。
「ジゼル」は何の物語なのだ?