「薫り立つ」という表現があるけれど、パリ・オペラ座バレエほどその言い方に相応しい存在はない。パリ・オペラ座バレエがステージにいるだけでステージ上が薫りの塊になるのだ。この現象を他のバレエ団のパフォーマンスで感じることはない。不思議なものでその薫りは目に見える。バレエダンサーたちはかなり強い香水をたっぷり使っていることが多く、ステージ近くの席に陣取ると薫りがはっきりと鼻をくすぐり続けることがあるのだけれど、パリ・オペラ座バレエは嗅覚で感ずるものとは違った薫りを発することができるようだ。「何を主観的なことを!」などと言う人もいるだろうけれど、きっとパリ・オペラ座バレエを知っている人ならかなりの確率でうなずいてくれるだろう。濃厚な薫りが舞台を包み込んでいる。その事実は映像によっても確認できるはずだ。例えばミリアム・ウルド-ブラム Myriam Ould-Brahamとオレリー・デュポンAurelie Dupontのキトリ。