●『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その112。プチ土佐弁講座付。

▲「帯屋町と薊野で漂流」

「ねえ、おんちゃん。100円でかっちょえい時計あるう~~?」

 とパオパオコロっ子は男性スタッフに問い掛ける。
 スタッフは優しくにこやかに答える。
「おじょうちゃん、ごめんねえ~。この店に100円の時計は置いてないんですよ~」
 当然だ。正統的時計店に100均の時計があるわけがない。
 しかしコロっ子はメートルが上がり切っていた。
「ええ~~、おんちゃん、大西時計店は100円の時計も置いてないがあ~?」
「え?何?おじょうちゃん」
 コロっ子は固唾を飲んで見守るはちきんキッズを振り向きアジる。
「おいおいみんなあ聞いたかや!大西時計店には100円の時計も置いてないがやとお~~!」
 男性スタッフの声がヒンヤリしたのはその瞬間だった。

「おじょうちゃん、ここは大西時計店やのうて、大西田時計店だよお~~」

※この小説は(もちろん)フィクションです。

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