末尾ルコ実験小説「クズは死ね!愛する者は生きよ! 高知の奴と真奈子」

「うるさいにゃあ!」
 声は最小ながらも、奴の口調は怒声となってくる。
「そうやねえ」
 眉を顰めながら、真奈子は壁に並べて貼ってある柴田勝頼と内藤哲也のポスターに流し目を贈った。写真の内藤は片目を指で開き、ふてぶてしく上方を見ている。こむさいルックスは好みではないが、その「制御不能ぶり」は真奈子にとって心地いい。内藤を見ていると、確かに何かしら気分は高揚する。
ダーン!
 ダーン!
 ダーン!
 ノックと言うよりもしつこい打撃は止む気配がない。このままにしてはおけず、「制御不能男」を眺めて血の巡りもよくなった。適度な膨らみを持った胸を見下ろせば、そう、「KING OF SPORTS」と記されていることを忘れてはならない。