ブリジット・ルフェーブルが映画「パリ・オペラ座のすべて」の中で何をするのか?
踊るわけではない。
とにかく交渉する。
小さな部屋で、他団体と交渉する、モダン・コンテンポラリーのコリオグラファーたちと交渉する、バレエ団のメンバーの嘆願と交渉する。
パリ・オペラ座バレエを愛し、バレエ団の運営に興味を持つ者にとっては実におもしろいシーンの連続だ。
しかしここが映画としての評価の分かれ目でもある。
この映画は熱心なバレエファンだけが観ればいいのか、それとももっと遠くまで届くような内容にするのか。
特にモダン・コンテンポラリーのコリオグラファーたちとの交渉などは、バレエ界の状況を知っていなければ意味不明ではないかと想像する。
だから「バレエファン以外にも楽しめる」などという紹介文も見かけるが、必ずしもそうとは言えないと思う。