誤解のないように書けば、「パリ・オペラ座のすべて」の中の「メディアの夢」は、特にデルフィーヌ・ムッサンのステージは見応え充分のものだった。
バランスの問題として、別のシーンで心を気持ちよく高揚させる要素がほしかったのだ。
そう言えばフレデリック・ワイズマンの手法は、目の前の事実を淡々と切り取っていく。
そこにはまったくエモーショナルなものはない。
事実を事実として切り取る。
ドキュメンタリーの手法として、きっとまったく正しい。