ドキュメンタリーの手法としてまったく正しいとは思うが、
制作するときの意図として、「アートドキュメンタリーだからパリ・オペラ座の〈華麗な面〉はなるべく排そう」などという意図は多少なりともなかったか、などと正直者のわたしは勘ぐってしまうのだ。
「パリ・オペラ座バレエ」を余すところなく表現しようというのであれば、あの極限とも言える厳しさから生まれる「華麗さ」を伝えるべきだと思うのだが。
とまあ、客観的を装ってはいるが、よし正直にぶっちゃけると、パリ・オペラ座バレエのコンテンポラリーなアーティステックでエッジな(←あえて馬鹿な表現を 美笑)部分と同時に、コンサバティブで華麗な要素もたっぷり観たかったのだ。
なにせ「160分」なのだから。
もっとも、これら演目のチョイスは日程などと相談してのことだったのかもしれないが。

さて、映画中じっくり時間を割いていた演目に一つにマッツ・エックの「ベルナルダの家」がある。