しかし今のところ「勇気を出して」言うようなことなど何もない。
けれど「何もない」ことを言うことはできないとなると、いったいどうすればいい?
「そうねえ・・、まあ、すごく性格もいいし。けっこういいんじゃない?」
(何を言ってるんだ、おれは)
しかし口から出た言葉はもう帰ってこない。
「え、瑛次さん!そうなんですか!え~~~、そうだったんですか・・。いや~、どうしよう・・。もう!恥ずかしい。恥ずかしいなあ、もう!わたしこんなこと・・初めてで。スゴク恥ずかしいです、ホント。でも嬉しい、瑛次さん・・。瑛次さんがそんな風に思っててくれたなんて、ホント、スゴク嬉しいです」
(おれ、そんなに喜ぶようなこと言ったか?)
じょじょに虚ろになってくる意識の中で、瑛次は漠然とそんなことを考えていた。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。