スヴェトラーナ・ザハロワSvetlana Zakharovaが来年、つまり2012年、新国立劇場で「白鳥の湖」を踊るという。ああ、来年。来年の日本なんて、いったいどうなっているのだろう。2011年の元日、今の日本の状況なんて誰も予想していなかった。ある国で2万5千を超える人がいちどきに死に、行方不明になるなんて、しかもそれが当代指折りの文明国を自認する国で起こるなんて、誰が予想できただろうか。ぼくは歴史上に現れた本物の予言者、預言者たちの存在を否定はしない。けれど「金」と「名声」しか頭にない予言者、預言者風の奴らの話など一切信じるな。「テレビ」はきっと反省なんかしない。大方の政治家も大方の企業家もきっと反省なんかしない。土下座と反省は何の関係もないんだ。だからぼくは今日、ウンベルト・エーコの本を紐解くことにした。「美」と「醜」に関する重い本。実際に重いんだ。だからというわけでもないけれど、スヴェトラーナ・ザハロワSvetlana Zakharovaはぼくの中で新たなバレエを踊り始めた。