うん、それでね。仮にカキが空を飛んでいたとしよう。本当に飛んでいたのだとすると「空飛ぶ謎のカキ」と名付けてもいいわけだ。でもまだそうは名付けられない。なぜならばもしカキのようなものが空を飛んでいたとしても、それが本物のカキだったかは結論付けることができないからね。え?本物のカキだったって?しかし君はそれを証明できない。分かってるよ、世の中のほとんどは証明できないことばかりさ。でもね、いくらなんでもカキが飛んでいたなんてすぐに信じるわけにはいかないよ。え?何?何だって?そんなバカな!君ちょっとイカれていないかい?まだ本格的に夏が来ているわけではないというのにね。いや、ちょっとぼくは君の感覚を疑うよ。いや、君が嘘を言っているとは思わないさ。でもね・・・それはいくらなんでも。