●利重剛監督の映画「さよならドビュッシー」は橋本愛が主演で、しかし他はさほどビッグネームの出演者はいない。
ところがなかなかに楽しめるのです。
約130分と少々長い映画だけれど退屈しない。
撮り方が美味いんです。
多くのシーンがきっちりと画になって、色彩配分もしっかりしている。
大きな予算をかけた映画ではないけれど、工夫次第で飽きさせずに観せられる。
知名度の低い俳優たちも的確に配置し、的確な芝居をしている。
しかし「さよならドビュッシー」で最も大きな要素は「橋本愛」の存在。
利重剛の撮り方も橋本愛の美貌を徹底的に生かすという意志が感じられるのだけれど、それに応えられる橋本愛の顔には見惚れてしまいます。
舞台俳優と映画俳優、特に「映画スター」の違いは、「大きなスクリーンでアップになって画になるか」、言い換えれば、「アップに耐えられるか」という点なわけですが、橋本愛は群雄割拠の若手女優の中でも「画になる顔」というポイントではかなりのアドバンテージを持っています。