●NHK「足尾から来た女」は2回放送で完結するテレビドラマなんですが、さすがに力の入った出来です。
主演は尾野真千子。
歴史的に有名な足尾銅山鉱毒事件をテーマとしたドラマの中で、「教養のない女」を的確な演技力で見せています。
教養がない故に周囲で起こっている事態が把握できない人間の不安感を、特に目の表情で表現しているんです。
ドラマ展開の過程で尾野真千子演じる女性は高名な活動家などと接することにより、「社会の中でいかにものを見、いかに行動すべきか」学んで行く。
これは今現在、「教養とは何か」が問われている日本人にとって学ぶべきところの多いストーリーだと思いますよ。
本放送は終わったけれど、何らかの形で干渉すべき価値のあるドラマです。
一年間だらだら続ける大河ドラマよりもずっといい。