●思えば一般の人が普通にアラン・ドロン主演作を観ていた時代の日本は明らかに文化的レベルが今より高かった。
ドロンのファンが「顔」に惹かれていたとは言え、「太陽がいっぱい」を筆頭に、「ドロンを観る」ということは、アントニオーニ、アンリコ、メルヴィル、ヴィスコンティら映画史に残る監督の作品を観ることであり、ロミー・シュナイダー、カトリーヌ・ドヌーヴ、マリー・ラフォレら、最高の名女優たちを鑑賞することでもあったのだから。