●ブノワ・ジャコ監督、イジルド・ル・べスコ主演「肉体の森」という映画があります。
19世紀の南仏。
流浪人の怪しげな男に呪文を掛けられて「肉欲」の世界に誘われる一人の女。
しかしそれはあくまで「男の暴力」によるものなのか、それともどこかで「女の欲望」が勝ったのか?
現実の世界であればこうした場合、まず100%、男の側に言い訳の余地はないし、言い訳させてはならない。
しかし映画や文学の場合、「肉体の森」で表現された背徳的世界や心理は時に極めて魅力的なものとなる。
現実の世界と創作の世界を同一視してはならないのです。