●ところで2014年アカデミー賞作品賞「それでも夜は明ける」で主人公のソロモン、そしてルピタ・ニョンゴが鞭で打たれるシーンがあるんです。
それがもう強烈にして凄まじい。
大スクリーンでこそ伝わって来る、魂を挫けさせるまでの痛み。
「インポッシブル」のナオミ・ワッツもそうだったけれど、「痛み」「地獄のような苦しみ」を伝える表現方法としての「映画」というメディアがいかに優れているか、「それでも夜は明ける」で再確認しました。
「映画館で観るべき」というと、どうしても「ゼロ・グラヴィティ」のような作品を、となって、それはそれで正しいけれど、それだけではない。
「それでも夜は明ける」における奴隷たちの苦しみ、それは「スクリーンで観る鞭の重さ」に象徴されている。