●「花子とアン」で独自の際立った異質性を漂わせている黒木華の存在感は、最初から住む世界の違う存在感でもありますね。
いわゆる平成日本で言うところの「カワイイ~」にはまったく当て嵌まらない容貌。
しかし美しい。
それは腑抜けた男には理解不可能な美しさなのです。
その意味ではまったくテレビドラマ向きではない。
外見も口から発する台詞もテレビの枠の外にいる。
黒木華が発すれば、愉快漫画のような何でもない台詞に異様な趣が加わる。
久々に会った兄に対して、
「本物の兄やんや~」
と語りかける、正しく「何でもない」馬鹿馬鹿しいような台詞でも、黒木華が発すれば、底知れぬ含意が存在するかのように聞こえる。

と言うわけで、ど外れたクオリティを持つ女優 黒木華を丁寧に丁寧に鑑賞しましょう!