●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする講座」~高倉健を失くした日本。

高倉健が亡くなったことで、わたしも熱烈な映画ファンの一人として思うところが多いです。
「死去」のニュースを見てまず、一瞬ポカンとしてしまった。
(どういうことだ?)
「高倉健」と「死」のイメージがまったく結び付かなかった。
もちろん「人間には誰にでも平等に死が訪れる」ことはよく理解しているのですが。
けれど「高倉健」に関しては、おそらく「まだ死んでくれては困る」という意識が強かったのでしょう。
精神的・文化的に止めどなく腑抜けていく日本で、その「存在のすべて」によって人間の、日本人の生き方を示してくれる人、そんな人が他にいようか?
とりわけ映画ファンにとって。高倉健ほど映画を愛し、大切にしてくれた人は世界的に見てもそうそういない。
高倉健がいなくなった今、生きているわたしたちは今まで以上に「高倉健」を語り、鑑賞しなければならない。
今後は今まで以上に、「健さん」について、そして「健さんの愛した映画たち」について語っていきます。