●末尾ルコ傑作詩 高知市でまた、コクトーの「恐るべき子供たち」。

東郷青児の訳した
ジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」。
ぼくは一体何年ぶりに開いたのか
最初に読んだのは10代の半ばくらい
それも高知市
家の建物は変わったけれど
経度も緯度も同じ場所でだ。
東郷青児の訳した
ジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」を
開いた瞬間、
(これこそ今また味わうべき本)と
確信した。
ぼくの味蕾は
コクトーの美に蠢く
高知市の
同じ緯度、同じ軽度の
ある場所で。