●『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その122。プチ土佐弁講座付。

『驚異のはちきん小説!「はちきん」と呼ばれる女』その122。プチ土佐弁講座付。

▲「帯屋町と薊野で漂流」

「あ、あていかえ?あていははちきんやけど、知らんかえ?」
 ヘンなぼっちゃん、小さな唇を「3」のように突き出し、
「う~ん、はちきんさんですか?知らないなあ~~」
 ここではちきんに動揺が走る。
 賢明な読者諸氏もお気づきのように、はちきんが人気者であったり有名人であったりする客観的事実は一切なく、今のところ本人が勝手に「そうなりたい」「いや、そうに違いない」と思い込んでいるのみに過ぎない。
 しかしヘンなぼっちゃんごとき子どもを相手に「無名の人間」であることを前提に会話を進めるには、はちきんはあまりに無駄にプライドが高過ぎるのだった。
「ええ!ぼく、はちきんを知らんがかえ?そりゃいかん!ちょっと遅れちゅうぜえ!」

※この小説は(もちろん)フィクションです。

※とっても可愛いのに何をやっても上手くいかないヘンなぼっちゃんを応援しよう!