●末尾ルコ「格闘技論」~フロイド・メイウェザーの試合に「最強・最高」の品格なし!と思うのですが。

しかしあれですな、ボクシングのフロイド・メイウェザー。
いろんな要素で「ボクシング史上最高」とか「最強」とか、特に本人が主張しておるようですが、どうもそんなイメージがこちらの心にできあがらない。
「スター」のオーラはあるけれど、「歴史的スーパースター」のオーラはとても感じられないんです。
メイウェザーがボクシング史上とてつもない技術と身体能力を持ったファイターだということは理解できるけれど、その試合ぶりにすーぽースターならではの品格やドラマ性が感じられないし、毒舌を振るうのはいいんですが、モハメッド・アリのそれとは違い、莫大な富を手にしたチンピラが大口叩いているように見えます。
ボクシングの試合における「品格」というものは別にファイター自身に品性や教養があるなしではなく、「凄いファイター」の試合そのものから漂ってくる品格なんですね。
例えばマイク・タイソン。
タイソン自身はとてもじゃないが「品格」とはほど遠い人間性だったと思うのですが、その一試合一試合から「一秒も見逃せない」という品格が漂っていた。
メイウェザーの試合も「観たい!」という人がそれだけ多いから「史上最高に稼いだボクサー」と呼ばれているわけでしょうが、昔はPPV〈ペーパーヴュー〉などの視聴方法がなかったのだから比較もしようがない。
もしそうした方法があれば、キンシャサのモハメッド・アリVSジョージ・フォアマンはどれだけの稼ぎを挙げたか。
ということも想像してしまいます。